05065-180309 神エクセルこそiPad Proで〈写真は中目黒VOWSのアボカドチーズバーガーをSIGMA sd Quattro H + 14mm F1.8 DG HSM〉
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提出書類の様式がWordファイルやExcelファイルで配布される例が依然として多い。それをWordアプリやExcelアプリで開いて内容を書き込むのは非常に不便。非効率。 世にいう「ネ申エクセル」。「紙」の上に項目をレイアウトしたり罫線を引くといった様式を作る側の都合でWordやExcelが使われているので、その様式に情報をITで書き込む人の利便性は顧慮されていない。昔、「紙」に手書きで書類を作成していた時代の遺物。手書き文字で書き込むために作ったレイアウトを単純にWord/Excelに置き換えただけ。相手に対する配慮ゼロ。 デジタルで情報をやり取りするのが当たり前の今日でもなお、「紙」の存在を前提とし、情報を「紙」に「配置」する習わしを踏襲しているのが原因。「神(紙)エクセル」と呼ばれる所以。
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様式書類の目的は、各項目名に合った情報の収集です。「氏名」という項目に「塩澤一洋」という情報を提供する。「勤務先」という項目に「成蹊大学」を、「所属」に「法学部」との情報を提供する。
各項目名は「抽象」、提供する情報は「具体」。
「メタ」とは「metaphysical(抽象的な)」の略。「ネタ」とは「具材」、要するに「データ」。
メタに合ったネタを取得するのが様式書類の目的です。だから、メタと紐付けたネタが提供できればOK。レイアウトしてある必要ないし、枠で囲む必要もない。情報を取得したい側は、項目名(メタ)だけ単純にリストアップして情報提供を依頼すれば十分。情報を提供する側は、「メタ」リストの各項目に対応するネタを書いて、メイル、メッセージ、グループウェアなどのITで提供すればいい。お仕着せのレイアウトに合わせて四苦八苦する全国的ムダは早いところヤメにしたい。
実際、ここ数年はずいぶん柔軟になって、先方が必要とするメタ(項目名・ラベル)だけをご連絡いただき、そのネタ(データ)を単純にメッセージやメイルで返信する機会も増えました。その組織のスピード感や事務の効率が読み取れます。そうなっていない企業や組織は、事務部署に膨大なムダを抱えているはず。どんどん効率化しましょうよ。
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さて、そういった組織から旧態依然として送られてくるWord/Excelの「神エクセル」様式書類。前述のとおり、有限の面積を持った紙という物体に手書きで情報(ネタ)を載せることを目的としたメタのレイアウトです。受け取ったら、shio.iconのワークフローは以下のとおり。 届いた様式書類をMacで開く。
Word/Excelアプリで開かれたら、そのまま「編集」メニュウから「プリント」し、「PDFで保存」を選択。
あとはタイピングしてフォント文字で書くもよし。Apple Pencilで手書きするもよし。手書き文字をフォント文字に変換するもよし。もともと手書きのために作られた様式なのですから、手書きがマッチします。押印が必要ならスキャンしてある印影をワンタッチで貼ればおしまい。 書きあがったPDFを先方に送付するかクラウドに置いてリンクを送れば完了。
過去、そのように書類を作成して送信したすべての組織(政府系や国立系含む)が、そのまま受領しています。なんら問題ないそうです。
本当は、様式書類を最初からPDFで配布してくださるとありがたい。そう依頼すると、「PDFって書き込めるんですか!! 知りませんでした」という人がいます。PDFって書き込むためのフォーマットでもある。書類に書いた内容を「プリント」するがごとく「固定」するためのフォーマットです。紙にプリントされた書類にペンで書き込めるのと同様、PDFにももちろん書き込めます。PDFなら端末を問わずレイアウトが再現されるし、スクロールなども高速で扱いやすい。 なお、様式書類を紙で受け取った場合は、ScanSnap iX500などでスキャンしてから同じ手順で書き込んでいます。様式書類をスキャンして、Macでフォント文字を書き込んでプリントして提出、という方法は1990年代から20年以上行なっているレトロな手法。これも拒否された経験は一度もありません。10年くらい前までは、「これ、どうやって書き込んだのですか?」と聞かれることは多々ありました。 成蹊大学法学部の教授会は、3年ほど前から完全ペーパーレス。すべての資料がPDFで配布され、教員はiPad Proなどで開いて、Apple Pencilで書き込んで扱っております。 ITは、人の手間を削減し、人が楽に仕事するための手段。人が楽にならないIT化は無意味。
業務を各レベルでIT化して、業務時間を短縮し、楽に楽しく仕事したい。浮いた時間を活用したい。
その工夫もまた楽しいのです。
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